近年環境問題対策のために,太陽光発電や風力発電といった再生可能エネルギー発電の導入拡大が重要視されている.しかしながらこういった電源から出力される電力は直流であるため系統の交流電力に変換する必要があり,インバータと高調波フィルタによる直流交流電力変換が行われる.インバータのスイッチングに起因する高次の高調波電流を抑制するために高調波フィルタが接続されるが,従来の構造では過大なインダクタンスを必要としシステムが大型化するという問題点がある.そこでスイッチング高調波はスイッチング周波数の整数倍に局所的に現れることに注目し,LC共振回路によりスイッチング電流をピンポイントに抑制できる有極 LCLCLフィルタという新しい構造は,従来構造に比べ使用するインダクタンスの値を大幅に削減できる.