近年、通信技術の発達に伴いネットワーク化制御系が注目を集めている。ネットワーク化制御系とは制御器と制御対象が離れており、ネットワークを介して接続される制御系である。ネットワーク化制御系では既に存在する通信インフラを利用することにより配線の自由度向上、設置や維持の簡素化が可能となるなどの利点がある。その一方で、ネットワークの品質や混雑などによるデータの欠落や遅延の発生、通信路の容量によるデータ通信の制限などの問題点がある。そこで通信路の容量制限の問題を解決するためにしばしば複数の通信路が用いられる。通信路容量の制限により,1 つの通信路では情報が送り切れない場合でも,情報を分割して複数の通信路に送ることで情報を送ることが可能になる。このように複数の通信路を使用することで情報の伝送量増加,それに伴う制御性能の向上が期待される。しかし同じ情報量を各通信路に割り当てた場合,雑音が大きい通信路を使って送った信号は復元できない可能性がある。またそれに伴う制御性能の悪化が考えられる。以上の問題から適切な情報の割り当てを行うためには,各通信路特性を正確に推定することが必要である.