近年,多種多様な場面においてロバスト制御が用いられている.特に介護の現場においては人手不足の影響もあり,介護用ロボットや移動を支援するセニアカーが開発されている.しかしながら,制御性能が劣化すると所望の動作が得られないばかりか,介護用ロボットやセニアカーの場合においては被介助者が負傷する危険性を伴う.また,従来のオブザーバはシステムの構成要素のパラメータ変動が起きた場合においても,安定性を保つことが困難に成り得るというデメリットがある。 本研究では,セニアカーに焦点を当て複数の外乱要素を1種類に集約して補償する等価入力外乱(EID)オブザーバを用いた位置決め制御および速度制御をシミュレーションにより行う(エンジンベンチモデルをベースにしたモデルを用いる).