ロバスト制御
実システムは正確にモデリングできないため,一つの伝達関数で表現することはできない.そこで, 設計用のモデルを一つ定め, 実システムとモデルの差にある不確かさの範囲を見積り,この範囲内の変動をすべて含むようなプラント集合を考えて制御系を設計する.
実システムを考える代わりに, このプラント集合について安定性や制御性能を保証できれば,実システムに対する安定性や制御性能も保証される.
本研究室では,プラント集合の表現・変動範囲のモデリング・プラント集合を安定化する条件・プラント集合の制御性能を保証する条件・設計方法について研究している.
ネットワーク化制御システム
Society 5.0や欧州のインダストリー5.0とは経済的発展と社会的課題の解決を両立する人間中心の社会である. この実現のためにサイバー空間とフィジカル空間を高度に融合た研究の開発が望まれている.
本研究室では,その基盤技術となる通信路を介したフィードバック制御系であるネットワーク化制御系(NCS)の研究を進めている. NCSでは,ロボット・メカトロニクス・人間・情報が空間的に結合することにより,遠隔医療・遠隔監視・自動運転などさまざまな社会課題を解決に導くことができる.
NCSにおける課題はデータ遅延・データ欠落などの補償である. これらの問題を制御対象のモデルとネットワークのモデルを用いて予測制御・ロバスト制御・強化学習・機械学習の手法を用いて解決する方法を研究し, その有効性をシミュレーションおよび実験によって明らかにする