近年,地球温暖化に対する懸念から,風力発電に注目が集まっている.その中でも,二重給電誘導発電機(DFIG)は低コストで制御性に優れるため,風力発電機として広く使用されている.しかし,DFIGは系統事故に非常に敏感であるため,系統事故時のFault Ride-Through(FRT)機能を改善することは非常に重要である.DFIGのFRT機能を向上させるための手法として,Crowbarを利用して回転子の過電流を抑制する方法がある.しかし,Crowbar動作中は回転子側の制御が不能となるため,Crowbarの動作時間は可能な限り短くする必要がある.一方で,解除タイミングが適切でなければ過電流が再発するため,Crowbarの解除タイミングが重要となる.そこで本研究では,Crowbarを解除する最適なタイミングを導出する方法を提案する.そして,提案手法の有効性をシミュレーションで明らかにする.