近年、ドローンの研究開発が進み、様々な領域で利用されている。例えば、空撮やエンターテインメント、物流、農業、点検作業、災害現場、警備、そして軍事である。ドローンの利点は機動性の高さにある。しかしその一方で、長時間の飛行が難しいことや操縦者の育成が必要なことが欠点として挙げられる。そのため、ドローンがより広く用いられるためには、運転の自動化を行いエネルギーを効率的に利用する必要がある。

 我々は、農業や点検作業、災害現場において、ドローンに搭載されたカメラなどのセンサを用いるデータ取得に着目した。ドローンが高い位置にあるときは、地上の広い範囲を捉えることができるが、情報の精度は悪くなる。一方、ドローンが低い位置にあるときは、地上の詳細な情報を得ることができるが、狭い範囲のみしか映すことができない。そこで、センサから得られる情報量が最大となるようなドローンの自律飛行が実現できれば、効率的に利用することができる。

 本研究では、強化学習と制御理論を組み合わせてドローンがセンサ情報から自律的に軌道を選択する手法を提案し、シミュレーションおよび実験でその有効性を明らかにする。